顧客獲得は頭痛のネタ

新規顧客・見込み客の開拓は、どんな企業にも必須ですし、絶えず行い続けなければなりません。

しかし、営業マンの足で稼げる範囲や人づての紹介はおのずと限界があります。かと言って、雑誌・新聞、テレビ広告は料金が高いという難点があります。掲載場所がインターネット上であっても同様です。

「高い」と感じるのは、成果のあるなしに関わらず料金が一定だからでしょう。求人広告なども同様で、特に多くの宣伝費をかけられない中小企業では、なおさらです。

アフィリエイトで克服できる「困難」「高い」

図1　アフィリエイトサービスの概要 　　　(サービス会社を利用する場合)

「アフィリエイト」とは「加入者、会員、提携する」という意味です。インターネット上でこの言葉が使われる場合は、ネット広告の一つの形態としてです。

アフィリエイト広告の場合、広告の掲載希望者を募り、無料掲載してもらう代わりに、そこを通じて売上等が合った場合は、掲載者に謝礼を支払う、成果報酬型となります(図1)。

アフィリエイトサービスを実施する会社(表1)を利用すれば、数万円の月間利用料で始められ、そのためのツールやノウハウも提供してくれます。もちろん広告成果が出れば、その分の報酬は別途必要ですが、支払代行などもしてくれるので手軽です。

●表1　アフィリエイトサービスを提供する主なWebサイト(プロバイダ)

*楽天市場の出店者のみが広告主となれる

サイト名(サービス名)	運営会社
A8.net	ファンコミュニケーションズ
ValueCommerce	バリューコマース
Link Share	三井物産、(米国)リンクシェア
TRAFFIC GATE	トラフィックゲート
Value Click	バリュークリックジャパン
AD4Commerce	セプテーニ
楽天市場 (※)	楽天

さて、気になる広告成果ですが、事例として「表2」にアフィリエイトサービス利用とバナー広告利用時の費用と、その場合の1件あたりの新規獲得コストを比較しました。この例では商品単価が2万円ですから、アフィリエイトサービスならば相当なコストパフォーマンスです。バナーなら商品単価の2.5倍の獲得コストとなり、継続利用は難しいでしょう。

●表2　ダイエット食品のトライアルセット(2万円)購入者の獲得事例(1ヶ月間の獲得者と費用比較)

・アフィリエイト・サービス利用(成功報酬 = 1件1,000円) *アフィリエイトサービスは「A8.net」を利用 *資料提供：株式会社ファンコミュニケーションズ 項目 金額 備考 成功報酬 1,000,000円 1,000円 ×購入者1,000人 サービス利用基本料 40,000円   サービスコミッション 300,000円 成功報酬の30% 費用合計 1,340,000円   1件あたりの獲得コスト 1,340円 購入者1,000人

・ポータルサイトのバナー広告を利用 項目 金額 備考 広告費 50,000,000円 1円/1回表示として、5千万回表示 費用合計 50,000,000円   1件あたりの獲得コスト 50,000円 クリック率0.2%×購入率1%=購入者1,000人とする

多様な利用用途(表3)

アフィリエイト広告は販売に直結する宣伝ばかりではありません。むしろ成果報酬という意味で、資料請求の獲得など、地道な活動に向いています。

●表3　アフィリエイト広告の活用用途と具体例
*「Web」とはECショップ・ECサービスサイトを指し、それ以外が店舗形態いかんにかかわらず「実店舗」とした

最終目的	広告で獲得するもの	販売・サービスの完結先(*)	具体例・業種
顧客獲得	サンプル配布先	Web・実店舗	化粧品の新製品サンプル
	メールマガジン購読者	主にWeb	酒類の情報・お勧め品のメールマガジン
		主に実店舗	マンション、貴金属など高額品の友の会
	トライアル購入者	Web・実店舗	ダイエット食品、サプリメント等リピート購入が見込まれる商品
	無料トライアルユーザ	Web	プロバイダ加入や動画配信などのネット上のサービス
		実店舗	各種スクール、プリンタなど新製品で実地で取り付け・利用が必要なもの
	見積請求者	実店舗	新車、中古車、引っ越し、保険等の見積・査定
	割引券配布先	実店舗	飲食店、旅行・エステティックサロン、英会話スクール等
	資料請求者	実店舗	通信教育、車・バイク、クレジットカード入会者等
人材獲得	自社スタッフ	実店舗	全業種
	適性テスト実施者	Web・実店舗	人材派遣、人材紹介

提携先と互助の精神

図2　当社サイト内の書籍紹介コーナー。実は本の表紙部分がアフィリエイトで、クリックするとオンライン書店に飛ぶ。

もう一つの大きな特徴として、広告掲載者(アフィリエイト)は個人や中小企業が多く、アフィリエイト自身が広告主の一消費者・利用者であることもよくあります(図2)。それが「インターネット上の口コミ広告」と言われる所以です。広告主は単にアフィリエイトを掲載場所と捉えるのではなく、提携先・販売代理店として、また利用者代表として支援していく姿勢が大切です。アフィリエイトからの声も重要なマーケティング資料となります。

確実な実績値で試行錯誤を

報酬額や報酬形態をかなり自由に決められるということは、試行錯誤も求められるということです。宣伝の文言やイラストを変えるか、報酬を変更するか等々です。

インターネット上のサービスでは、クリック数や購入率など、確実な実績値を収集できるのが強みです。それを分析し、次のアクションを練ります。

これらをフルに活かし、ネットを味方に付け、営業力と顧客を増やしましょう。

http://www.nikkei.co.jp/bb/

日経の編集委員や専門記者が経済やIT・産業にスポットを当てて、わかりやすくタイムリーに解説する「日経ニュース解説」を目玉に、産業・IT中心の「IBM BB Access」と、経済・マーケット中心の「Daiwa Market Scope」の2大スポンサーで構成される、動画中心の内容です。

忙しくてニュースの時間にニュースを見られない、好きな時間に毎日の市場の動きを知りたい、今話題のテーマをおさえておきたいといった経営者、ビジネスマンご用達サイトです。

東京マーケット、市場概況、株式市場解説は定番中の定番。ニュース解説や特定テーマは、例えば直近では「04年ヒット予測」「拡大する住宅リフォーム産業」が取り上げられています。また、ITのビジネス動向は各界リーダーの講義等を収めた「IT経営ビジネス・スクール」で勉強できます。

個人的には、テレビ東京が提供する「きょうの特集」を毎日楽しみにしています。

左上のファイル名先頭に「(c)」が表示され、電子透かしが埋め込まれた写真データであることがわかる。透かしは目視できないが、その情報をダイアログボックスに表示できる。今年は壱万円札をはじめとしたお札が一新されますが、最も大きな目的は偽造防止らしいです。以前よりそのために「透かし」が用いられてきましたが、電子データ、つまり音楽や画像、動画、文字などのデジタルコンテンツに埋め込まれるものが「電子透かし」となります。具体的には、著作権保有者、利用者ID、パスワード、流通日や再生できる回数などの著作権保護データで、著作権保護と不正な二次使用防止を目的とします。コンテンツ購入前までは暗号化技術で対処できますが、その後の使用・流通に欠かせないのが電子透かしとなります。目に見えない「不可視透かし」が多く利用されています。 電子透かしはオリジナルデータを直接加工するため、

1. 品質低下が少ない
2. 埋め込みや識別が容易
3. データを一部切り出しや再加工でも透かしが有効

であることが要求されます。
ミュージシャンやデザイナーなど一部職業のみと考えられがちですが、データ漏洩という面ではすべての職業の人に関係する技術です。

標準価格	17,800円(税別)
対応	Windows98/ME/2000/XP
発売元	ゼブラウィング
URL	http://www.tegakipen.com

図1 実際に書いている途中。そのとおりにパソコン画面で再現される。

図2 専用ソフトに取り込まれた手書きの議事録。

図3 写真にお子さんの自筆を添えて、お祝いのお礼状にするのもいい。

パソコンで議事録を取っていて一番困るのが、ホワイトボードにどんどん描かれる図や、ちょっとした書き込み。四角と丸の組み合わせや、吹き出しの中に文字があったりと、手書きだとすぐに描き写せるけれど、ワープロに入れるにはかなり面倒です。かと言って紙コピーだけのファイル化されていない議事録では、保管や共有には不便極まりません。

その面倒・不便を取り払ってくれるのが「手書きLink」で、紙に書いた文字やイラストを、リアルタイムでそのままパソコン画面に表示してくれます(図1)。秘密は専用ペン。「ベースユニット」という紙挟みがセンサーになり、専用ペンの発する超音波を捉えるという仕組みです。ベースユニットはパソコンとUSB接続され、専用ソフトに取り込まれます(図2)。これで再入力の手間もいりません。

今さら手書き、と思う人もいるかもしれません。しかし、きれいさを優先するならともかく、文書・画像作成ソフトでちょっとした絵を入れるのに四苦八苦したご経験ある方は多いはずです。また当商品とよく似た「ペンタブレット」も以前からありますが、あくまでマウスの代替品としてデザイン作業などで普及し、直接、紙に書ける手書きペンとは少し用途が異なります。だれもが練習なく、すぐに使える手軽さこそ、効率化・省力化の中で見直されるに違いありません。子供から高齢者まで幅広く使える点は、企画会議やモニター討論会など、社員以外の交流の場など、幅広く利用できそうです。

ダイレクトメールなどで、わざと手書き風の文字を混ぜて、温かみあるフレンドリーな感じを生み出しているものを見かけますが、同様のこともできます。間もなく異動のシーズンです。自分が出す挨拶状に、手書きLinkを使って、この手法を真似てみませんか。プライベートでは、デジカメで撮ったシーンに落書き風の手書き文字を残すというのもユニークでしょう(図3)。