簡単に言うと、企業の人から経営上の問題について相談を受け、それについて研究し、指導やアドバイスをするのが主な仕事です。

これこそ経営上の一般的なことから、工場などの生産管理、マーケティング、コンピュータシステムの開発、人材活用、財テク関連など、企業が抱えるさまざまなジャンルの問題点について相談を受けます。

そうですね。相談内容そのものも専門的ですし、実際に指導をする相手も、企業のトップや管理職クラスの”その道のプロ”である方が多いんです。ですからコンサルタントも彼等以上の知識を持っていないと信用されません。大事なのは、コンサルタントは”当事者ではない”ということ。常に第3者的な立場で客観的に判断し、企業にアドバイスをしていくんです。

企業からの相談はかなり抽象的な場合が多いんです。ですからコンサルタントは、まずお客さんにインタビューして問題点を具体化していかなければなりません。いわば調査段階です。次に、問題点の解決策を考え、お客さんにプレゼントする。そして案が受け入れられたら、いよいよプロジェクトを組んで改善や変革を実施していきます。さらに実施後も、効果測定をしてフォローしていかなければなりません。

道は大きく分けて2つあると思います。
新卒でコンサルティング会社に入り、上司のアシスタントをしながら育っていくのが1つの方法。または、「この分野がやりたい」というのがはっきりしているなら、まずはその分野の会社に入り、会社の実務を知った上で数年後にコンサルティング会社に転職、また独立するという方法です。ひと口にコンサルティング会社と言っても、大きな外資系ファームに行くのと中小企業に行くのとでは、環境はかなり違うと思います。大企業ほど上の層が厚いので、入社してから仕事の全体像を覚えるまでに時間がかかるかも知れませんね。外資系に行くのであれば、自分から積極的に仕事のやり方を吸収しておかないと・・・。その点、中小企業の場合は、うまく自分が活躍できる会社を見つけられれば、1年目から活躍の場は与えられると思います。もちろん、中小企業にもいろいろあるので、見極めが必要なことは言うまでもありません。また、例えば人事関連など、企業の経営の根幹に関わる分野ですと年配のコンサルタントのほうが信用されやすいという現実があります。逆にコンピューター業界などは、現在、続々と若いコンサルタントが参入しているようです。

せっかくの改善策を指導しても、それを実践するためのマンパワーやお金など、さまざまな条件が不足して壁にぶつかったり、受け入れられなかったり。それをどう分かってもらうかが、コンサルタントの腕の見せ所でもあり、難しいところでもあります。

まず第1に”コミュニケーション能力”ですね。この仕事は人間相手の商売ですから、これがないといくら専門的な知識があっても、その知識をうまく披露できません。また、専門的な分野について絶えず勉強していかなければならないので、いろいろなことを吸収していける積極的な人が向いていると思います。待ちの姿勢ではコンサルタントはやっていけません。”いかに自分で学ぶか”によって差が出てくる職種だと言えるでしょう。とりあえず3年生の今の段階なら、まずは自分がやりたい分野を見つけることが先決でしょう。書物や新聞などで、その分野に関する知識を高め、これからの就職活動に備えるといいと思います。